愉快なケミストーリー

東京都足立区キリスト教の教会Sail of the Lord Church(セイルオブザロードチャーチ)の化学者Sによるブログ(ケミストーリー)です。

化学者の本気のモノづくり

こんにちは、ケミストSです。

 

みなさんはモノづくり、

好きでしょうか?

 

新型コロナの影響で手作りマスクが注目されたり、

段ボール箱で工作するのが話題になったりしていますね。

 

料理もモノづくりではないでしょうか。

もっと言うなら、

火を使って料理するというのは

「化学反応」

を扱っているので、

料理人は化学者といえるかと思います。

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分野にもよりますが、

化学者がやっていることはモノづくりです。

 

食べ物、服、スマホ・・・

いまや何でも作ることができる

世の中になったと言われたりします。

 

化学者は、

自然界にあるモノだって

作ることができます。

 

例えば、生物がつくる有機化合物のうちで

最大級に大きく、最大級に複雑なものに

「パリトキシン」という化合物があります。

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パリトキシン(Palytoxin). あまりに複雑なので、描くのも大変。

本気を出した化学者は、

こんなイカツイ化合物もつくれます。

しかも20年以上前にすでに(12)。

ちなみに、これを作るのにノーベル賞技術が

利用されています。(日本人のノーベル賞です)

 

おそらく、化学者が本気を出せば、

そこらじゅうのモノのうちの

かなりの部分は作ることができるし、

今までなかった全く新しいモノも

着々と生みだせるでしょう。

(以前少し書きました。こちら)。

 

では現代では何が求められているか?

「何をつくるか?」

ももちろん重要なトピックなのですが、

「どうつくるか?」

が一層求められるようになってきています。

 

化学者が本気を出したら

モノづくりがどのように変わるのか

楽しみですよね!(私も頑張っています)

 

今日はこのへんで!

 

最後まで読んでくださり、

ありがとうございました。

 

 

ケミストS

 

 

 

参考文献

(1) Armstrong, R. W.; Beau, J.-M.; Cheon, S. H.; Christ, W. J.; Fujioka, H.; Ham, W.-H.; Hawkins, L. D.; Jin, H.; Kang, S. H.; Kishi, Y.; Martinelli, M. J.; McWhorter, W. W., Jr.; Mizuno, M.; Nakata, M.; Stutz, A. E.; Talamas, F. X.; Taniguchi, M.; Tino, J. A.; Ueda, K.; Uenishi, J.; White, J. B.; Yonaga, M. J. Am. Chem. Soc. 1989, 111, 7530-7533.

(2) Suh, E. M.; Kishi, Y.  J. Am. Chem. Soc. 1994, 116, 11205-11206.

 

※相当ざっくりと書いているので、ツッコミどころはあります。

また最善の注意はしていますが、間違っている箇所もあるかもしれません。

ご容赦ください。