愉快なケミストーリー

東京都足立区キリスト教の教会Sail of the Lord Church(セイルオブザロードチャーチ)の化学者Sによるブログ(ケミストーリー)です。

化学者の本気のモノしらべ(後編)

こんにちは、ケミストSです。

 

前回は、

つくったモノの分析技術について

途中までお伝えしました。

おさらいしますと、

  ★昔→舐めて調べた(甘い、苦い...)

  ★ちょっと昔→壊して調べた(燃やす、引っ張る...)

です。

 

今回は、より最近の技術である

「光で調べる」

について書きます。

もはや舐めることも、壊すこともありません。 

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どうやって調べるのか?、、、

 モノには固有の光(色)がある

 だから、光(色)を調べればなんなのか分かる

です。シンプル~。

が、めっっっっっちゃ奥が深いです。

このテーマだけでブログ1000報は書けそうです!

今回はそのごくほんの一部を書きます。

 

1. モノには固有の色がある(もっと詳しく)

人それぞれ違った性格があるように、

モノにもそれぞれ違った色があります。

 

同じ花でも、桜と梅は色が全然違うし、

同じ桜でも、街中にあるソメイヨシノと

さくらんぼが実るセイヨウミザクラは

色が違います(似てるけど)。

 

これは人間の目で見て分かる色のエリア、

いわゆる「可視光線」のお話です。

最近の技術では、

「人間の目では分からない色(光)」が重要です!

 

可視光の兄弟を考えます。

例えば、見えなくても温かさで分かる「赤外線」、

他にも、見えなくても日焼けで分かる「紫外線

色として見分けられます。

 

さらにさらに、光とは電磁波の一種なので、

電磁波も光と同じように色として見分けられます。

例えば電子レンジの「マイクロ波」、

レントゲンでお世話になる「X線」、

ラジオやトランシーバーで使われる「ラジオ波」。

 

例を挙げるとキリがありません!!!

とにかく電磁波であればOKです。

 

 

2. 色を調べればなんなのか分かる(MRIを例に)

どの光もすごいのですが、

ノーベル賞の結晶であり、身近にもある

「ラジオ波」による分析法(MRIなど)

についてかきます。

 

私たちの身の周りのモノや生物(人間も)には

「水素(原子記号はH)」

がいっぱいです。代表選手は、水(H2O)!

 

(ラジオ波という光を当てて)水素Hの色

把握すれば、大抵のことが分かります

が、無数にあるがゆえに見分けるのは大変です。

 

ラジオや無線通信でおなじみの

ラジオ波は「水素(H)を見分ける力」が段違いです。

(※それ以外の原子も見分けられます。)

 

例えば、前々回のブログで紹介した複雑怪奇なモノ。

↓この水素(H)、全て分かります!!!(本気出せば)

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ブログを書く全時間のうち、1/3くらいをここに費やしました(笑)

こんなこと、舐めるだけじゃ絶対に無理です。

 

 

水(の中のH)を調べるのに特化したのがMRIです

健康診断などでおなじみのやつです。

ベッドで横になっているだけで、

体の中が分かっちゃうハイテク診断機器ですね。

  

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Michal JarmolukによるPixabayからの画像

 

どういう仕組みなのか?

 

人体の60%は水(H2O)ですが、

体の部分によって水の個性が違います;

骨などの硬組織にある水(H2O)、

筋肉などの軟組織にある水(H2O)、

さらに脂肪の中の水(H2O)・・・

全部、色が違います。

 

これら全てを見分け、

それらを画像化することで

MRI像になります

 

光ってすごいですよ!

今回お伝えしたのはごく一部です。

光化学を見ない日はないです。

 

さて今日はこの辺にて!

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

 

ケミストS

 

 

※相当ざっくりと書いているので、ツッコミどころはあります。

また最善の注意はしていますが、間違っている箇所もあるかもしれません。

ご容赦ください。