バイオプラスチックについて
こんにちは、ケミストSです。
今年7月1日からレジ袋が有料化されますね。
このようにプラスチックの利用を減らす様々な努力がなされていますが、
実は、プラスチックそのものも進化しています。
今日はその中でも有名な
植物からできたプラスチック(バイオプラスチック)
について簡単に書きます。
プラスチックにしかない性質を活かしながらも
なんとか自然に還るようにできないか、、、
そう考えたときに化学者は、
植物で作ればよいじゃん
と思いつきました。単純明快ですね~
さて 、
プラスチックとは、
小さなものがたくさんつながったもの
です。
例えば、レジ袋でもおなじみのポリエチレンとは、
ポリ(poly=たくさんの)+エチレン(ethylene=エチレンという小さなもの)
という意味です。
ちなみにエチレンは、植物の成熟に関わっているような身近なものです。
バイオプラスチックでは、
「小さなもの」を植物由来のものにしました。
代表例は、乳酸!
乳酸がつながってできているので、
ポリ+乳酸=ポリ乳酸
と呼ばれます。聞いたことありませんか?
この乳酸はどこから手に入れるのか?
乳酸はでんぷんの発酵でつくります!
つまりでんぷんが多い植物、
トウモロコシ、サツマイモ、サトウキビ・・・
からつくることができます。
こうしてできたポリ乳酸はどう自然に還るのか?
二段階の過程を経ます;
1. ポリ乳酸 ➡ 乳酸になる (分解)
2. 乳酸が微生物などに分解されて二酸化炭素になる (代謝)
です。
自然に還るといっても、
微生物がいない状況だと簡単には分解しません。
なので、日常のあらゆる場面で問題なく使われています。
パソコンのボディ、レジ袋、BB弾(サバゲ―用)・・・
自然に還ることを念頭に開発したポリ乳酸ですが、
この「還る」という点よりもむしろ
最近では、「再生可能である」という点が注目されています。
以前このブログでお伝えしたグリーンケミストリーの格好の例です。
なぜか??
分解されて二酸化炭素が出る
→二酸化炭素で植物が育つ(光合成)
→育った植物でポリ乳酸を作る
となり、二酸化炭素を経由して循環するからです。
カーボンニュートラルといったりします。
実際、石油由来のプラスチックよりも
環境に対するCO2負荷が低減されるという報告例もあります。
いかかでしたか。ポリ乳酸を一例に挙げて、
最近話題のバイオプラスチックのエッセンスは
伝えられたかなーと思います。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
ケミストS