愉快なケミストーリー

東京都足立区キリスト教の教会Sail of the Lord Church(セイルオブザロードチャーチ)の化学者Sによるブログ(ケミストーリー)です。

太陽電池について

こんにちは、ケミストSです。

 

ここんとこ日差しが強いですね。

へこたれそうになる私をよそ目に、

植物はメキメキ成長していますね~~

私も葉緑体があれば。。。(いや、やめておこう)

 

葉緑体は無理でも光からエネルギーといえば?

ということで、今日は太陽電池について書きます。

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とてつもなく巨大な分野なので、

全てを1度に説明することはできません。

興味ある方むけに、参考になるものを一番下に載せています

 

 

■太陽エネルギーはおよそ地球1万個分

(※ソースは文献1)

人類が1年に消費するエネルギーを「1」したとき、

 

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光合成によるエネルギー 10

 

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化石燃料(石油など) 300くらい?

 

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太陽が与えるエネルギー 10000!!!

 

衝撃的じゃないですか?

ほぼ無尽蔵のエネルギー源であることが分かりますね。

使わない手はないですね。

 

■太陽電池の種類(材料による分類)

①シリコン系・・・THE太陽電池がこれです。ケイ素でできてます。

②化合物半導体系・・・いろんな金属をブレンド。(例: 銅+インジウム+セレン)

③有機系・・・炭素でできています。薄膜型と色素増感型があります。

 

要するにケイ素か、金属か、炭素か。

 

最も普及してよくみかけるのはシリコン系

>>> 耐久性あるし発電効率が高い(20%くらい)。コスト高い。

低コストが売りの化合物半導体系

>>> シリコンの高騰で進化した。発電効率やや低い(15%くらい)。

これからの実用化が期待される有機系

>>> ユニークな性質(曲がる、塗れる、カラフル・・・)。

   より低コストも期待される。but耐久性と発電効率が課題。

   日本が結構リードしてる!

 

 

ではどういう原理で電気が生じるのでしょうか?

電気とは、電子の流れです。

その電子をどうやって取り出すか、の話になります;

 

■おおざっぱな仕組み=光を当てると出てくる電子を捕まえる

です。もうちょっと詳しく説明すると、

 

★色素増感型 ➡ 光合成っぽい 

>>> 電子を失ったもの(チタン)へ、別のものが電子を与えて電子を循環。

  ※チタンは紫外線しか吸収しない。色素を塗ることで目に見える光を吸収。

★それ以外 ➡ 発光ダイオード(LED)の逆

>>> 2つの半導体をくっつけることで、電子を捕まえる。

 

 

いかかでしたでしょうか。

相当ざっくりと説明しましたが、エッセンスは書いたと思います。

ぜひ下の参考文献を読んで、理解を深めてみてください。

 

太陽のエネルギーとしての利用は他にもたくさんあります。

有名な例は、人工光合成など。

これも面白いので、いつか書きたいです。

 

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

 

ケミストS

 

 

参考文献

★人口光合成について誰でもわかりやすい本

(1) 光化学協会(井上晴夫監修) (2018) 夢の新エネルギー「人工光合成」とはなにか 

 ブルーバックス(B-1980)

 

★太陽電池のしくみ:入門~上級者(大学1年レベル?)まで幅広い

(2) 産総研 太陽光発電センター, "太陽電池の原理"

  https://unit.aist.go.jp/rcpv/ci/about_pv/principle/index.html (閲覧日:2020年6月16日)

 

★太陽光発電の国家プロジェクトまで幅広く網羅

(3) NEDO: 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構, "NEDO再生可能エネルギー白書 第2版 (PDF)"

  https://www.nedo.go.jp/content/100544817.pdf (閲覧日:2020年6月16日)