愉快なケミストーリー

東京都足立区キリスト教の教会Sail of the Lord Church(セイルオブザロードチャーチ)の化学者Sによるブログ(ケミストーリー)です。

言語の距離について

みなさま突然ですが、

「第二言語習得 (=SLA: the Second Language Acquisition)」

って聞いたことありますか?

 

言語学の分野の1つで、

外国語の習得プロセスを研究する分野です!

効果的な勉強法への応用が成されています。

 

今日はSLAの中の基本的な認識である、

外国語がお互いにどれほど似ているか?=言語間の距離

についてです。

 

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世界的に見て、日本人は英語が苦手と言われます。

実はこの逆もしかりで、

英語が母語の人が日本語を学ぶのもめちゃムズイと言われます。

 

理由の1つとして、

日本語と英語は似ている部分が全然ないから

が挙げられます。

 

このように

言語と言語がどれほど似ているか?

を表す指標として

「言語間の距離」

というものがあります。

 

一般に、外国語の習得は母語をベースになされます。

このことから、言語の距離が遠いものは習得がムズイとされます。

例えば、

 

英語母語話者にとっての難しさランキング (文献1より一部改変)

 4位:フランス語、イタリア語、スペイン語

 3位:ドイツ語、ルーマニア語、

 2位:ギリシャ語、ロシア語、ベトナム語・・・

 1位:日本語、韓国語、中国語

 

です!直感的に分かりやすいでしょうか?

 

逆に、距離が近いもの同士(例えば、日本語と中国語)、

だと、習得が比較的ラクと一般にはいわれます。

直訳が通じたりするのがそれだと思います。

みなさんも経験がありませんか?

 

が、注意すべき点もあります。なぜなら、

距離が近いほど、「似ているけど違うミス」は気が付きにくい

からです。母語の影響が裏目にでるパターンです。

(負の転移といったりします。)

 

そう考えると、距離の遠い外国語は習得はムズイけど

より完璧には近づきやすいのかも?しれないですね。

(※個人的な意見です。)

 

 

今日はこの辺にてノシ

SLAは他にもおもしろいネタがたくさんあるので、

また機会があればお伝えしようと思います。

 

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

 

ケミストS

 

参考にした本

(1) 白井恭弘 (2015) 外国語学習の科学ー第二言語習得とは何か 岩波新書