触媒について
こんにちは、ケミストSです。
身の周りのあらゆることを支える化学反応ですが、
相応の条件対価がないと起こらない、ということを説明しました。
(こちら)
しかし!
その条件を(ほとんど)チャラにし、不可能であった化学反応をも実現する
ものがありまして。触媒なんですが。
1.触媒は、不可能を可能にする
いまの現代社会に不可欠である医薬品、液晶テレビなどのモノづくりは、
2010年にノーベル化学賞を堂々と受賞した、
触媒を用いた化学反応によって初めて可能となりました。
まさに、
「不可能を可能にし、世界を変えた化学反応」
です。
(まさに青いバラみたいな?)
それ以前はなぜ不可能だったかというと、
「化学反応を起こすのに必要な条件が、あまりに大きすぎたから」
といえます。
むしろ、望まない別の化学反応が起こるのがオチでした。
触媒は、大きすぎる条件をほぼチャラにし、
欲しかったけど難しかった化学反応を実現しました!
(詳細が気になる方は、こちらが分かりやすいかと思います。)
2.触媒は、方法を根本から変える
なぜこんな芸当ができるのかというと、
触媒は、条件の小さい全く別のルートを切り啓くから
といえます!
たとえば、大航海時代にタイムスリップして、
新大陸を発見しなければいけない場合を考えましょう。
嵐で船が壊れる、漂流する、時間もかかる、、、
と、数多くの人がトライしてもダメで
不可能だと思われていました。
(ヘリコプターだと到着できました、の図)
これに対して触媒は、
全く別のアプローチをとりました。
例えば、ヘリコプターで行くみたいな!!!
(当時ヘリはないだろ!とかは言わないで。笑)
空から見下ろしながら、あっという間に見つけました。
このように触媒は、
化学反応の途中ルートを根本から変えることで、
できなかったことを実現します。
3.触媒は、くり返し行う
触媒の定義とは、
自身はトータルで変化せず、化学反応を仲介するもの
です。
反応を仲介する仕事の途中では
ものすごく反応性の高い姿に豹変するのですが、
(※「活性種」といったりします)
役目を終えると元にもどり、また同じ仕事を繰り返します。
まるで、仕事を終えたらまたすぐに現場に戻る
ハードワーカーのようです。笑
つまりどういうことか?
触媒は、少しあれば全てなしとげる
のです。
1つの触媒がどれだけ役目を果たすのか、
つまり、触媒が他のものをどれだけ反応させたか
を表す指標の1つに
触媒回転数 (TON =TurnOver Number)
というものがあります。
数値が大きいほど、触媒としての性能が高いです。
理論上は「TON=無限」ですが、
実際はそうもいかずに途中でへこたれます。笑
それでも、TON=数十万とかになります。
「1人で数十万人分の仕事をする」みたいな感じです!!!
いかかでしょうか。
かなりざっくりと曖昧な説明になってしまいましたが、
方法を変えることで、不可能を可能にするもの
というものだと思います。
あまり表だって出てくることのない触媒ですが、
今後さまざまな化学の課題を解決するものとして、
研究が盛んに行われています。
触媒の開発が、いまアツい!
ながくなりましたが、
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
ケミストS